事例3 売却・自宅・賃貸を検討しました。
2026年09月21日
相続した広い土地をどうする? 3つの活用方法を比較して売却した事例
今回は、以前からお世話になっている士業の先生からご紹介頂いた
相続不動産の売却事例です。
ご相談頂いたのは、お父様がお住まいになっていた戸建についてでした。
もともとはおじい様がお住まいになっていた家をお父様が相続され、
その後も住み続けておられました。しかし、お父様がお亡くなりになり、
ご相談者様が今後この不動産をどうするか検討されることになりました。
ご相談者様ご自身はこの家に住んだことがなく、すでに別の場所に
ご自宅を購入されていました。
中古戸建として売るのは難しいと感じました。
建物は築年数がかなり経過しており、過去に増築も行われているようでした。
建物の状態やこれから必要になる改修費などを考えると、
中古戸建として購入していただくのは、あまり現実的ではありません。
そのため、建物を利用することを前提とした「中古戸建」ではなく、
買主様に建物を解体していただく「古家付き土地」として考えることになりました。
一方で、この物件には土地の面積が比較的広いという特徴がありました。
そこで、すぐに土地全体を売却すると決めるのではなく、
土地の広さを生かした複数の方法を検討しました。
3つの方法をシミュレーションしました
今回検討したのは、次の3つの方法です。
① 土地全体を売却する
土地と古家をまとめて売却し、買主様に建物を解体していただく方法です。
売却後に不動産を管理する必要がなく、まとまった売却資金を
得られることがメリットです。
② 土地の半分を売却し、残りの土地に自宅を建てる
土地を二つに分け、そのうち半分を売却します。
その売却資金を使って、残した土地にご自身の新しい家を建てる方法です。
住み替えを考えている方にとっては、相続した土地を有効に
活用できる可能性があります。
③ 土地の半分を売却し、残りの土地に賃貸物件を建てる
半分の土地を売却し、その資金を利用して、残した土地に賃貸住宅を建築する方法です。
賃貸経営が順調に進めば、売却後も継続的な家賃収入を得られます。
ただし、概算でシミュレーションをして、建築後の管理や修繕、
将来の空室リスクなども考えておく必要があります。
賃貸経営は、ご本人の希望には合いませんでした
シミュレーションをご覧いただいた結果、まず候補から外れたのが、
③の賃貸物件を建てる方法でした。
ご相談者様にはお子様がおられず、将来の相続を見据えて不動産を
保有しておく必要性も、それほど感じておられませんでした。
家賃収入を得られる点は魅力ですが、そのために新たな借入れや賃貸経営、
建物の管理を続けていくことが、ご本人の希望に合っているとは限りません。
不動産を活用できる方法だからといって、必ずしもその方に適した方法とは限らないのです。
自宅の建築よりも、現在の暮らしを優先
次に検討したのが、②の土地の半分を売却し、残りの土地に
自宅を建てる方法です。
こちらも資金面では検討できる方法でしたが、ご相談者様は
すでにご自宅を所有されており、生活環境についても、
現在お住まいの地域の方が便利だと考えておられました。
相続した土地があるからといって、そこに住むことが最善とは限りません。
資金面だけでなく、通勤や買い物などの利便性、これまで築いてきた
生活環境なども含めて考えた結果、現在のご自宅から住み替える必要はない
という結論になりました。
こうして最終的には、①の土地全体を売却する方針に決まりました。
「古家付き土地」として販売を開始
相続した空き家を売却する場合、「被相続人の居住用財産(空き家)に
係る3,000万円特別控除」を利用できることがあります。
ただし、適用にはさまざまな条件があります。
今回は、物件の状況や想定される売却条件などを踏まえると、
特例の利用を前提に売却方法を組み立てるのは難しいと考えました。
そのため、売主様側で建物を解体して更地にするのではなく、
買主様に解体していただくことを前提として、「古家付き土地」で
売り出すことにしました。
希少性を考えて、少し高めの価格からスタート
この物件は最寄り駅から近く、その駅周辺も商業施設などがそろった、
生活に便利なエリアでした。
また、ある程度まとまった広さの土地は、周辺ではあまり売りに出ません。
こうした立地と土地の希少性を考え、今回は周辺相場よりも
少し高めの価格から販売を始めました。
結果として、売り出してから約1か月で無事に成約となりました。
購入されたのは、同じ町内で土地を探していた方でした
買主様は、同じ町内にお住まいの方でした。
以前からこの地域でご自宅を建てるための土地を探しておられたものの、
希望に合う土地がなかなか売りに出ず、長い間探しておられたそうです。
土地の価格は、周辺の相場や面積だけで決まるものではありません。
「この地域で暮らし続けたい」と考えている方にとって、
なかなか売りに出ない土地には、相場の数字だけでは測れない価値があります。
今回の成約は、物件の立地や広さと、買主様の希望がうまく重なった結果だったと思います。
相続した不動産は、売却以外の方法も整理してみる
相続した不動産についてご相談を受けるとき、最初から売却だけを
おすすめするわけではありません。
今回のように土地が広ければ、
土地全体を売却する
一部を売却して自宅を建てる
一部を売却して賃貸物件を建てる
そのまま保有する
といった、さまざまな可能性があります。
ただし、資金面では実現できる方法であっても、ご本人の暮らし方や家族構成、
将来の希望に合っているとは限りません。
大切なのは、それぞれの方法にどのようなメリットや負担があるのかを
整理したうえで、ご本人様に合う方法を選ぶことです。
「売った方がいいのか、活用した方がいいのか分からない」
そのような段階でも大丈夫です。
まずはいくつかの選択肢を並べて、一緒に整理するところから
お手伝いできればと思います。
